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うつ病ガイドライン徹底解説21 最初の抗うつ薬が効かなかった時



うつ病ガイドライン徹底解説

今回は抗うつ薬を始めたけど、効果がなかったり、多少はあっても不十分だった場合について説明します。

まずは、この薬ではダメだと決めつけず、用量をしっかり上げて、効果を見ることが大事ですが、なかなか効果が見られない場合も多いです。

この場合は、他の抗うつ薬への切り替えを考えます。

抗うつ薬にはSSRIやSNRIなど、いくつかの種類がありますので、他の種類の抗うつ薬に切り替えを検討しても良いですし、同じ種類でも一つ一つは微妙に作用が違いますので、同じ種類の中で違う抗うつ薬に変更しても良いです。

こうしたやり方でも改善しない場合は、抗うつ薬に全く別の種類の薬を組み合わせる方法があります。

これは、増強療法と呼ばれています。

抗うつ薬の効果を増強するという意味ですね。

代表的なものは、リチウムです。

抗うつ薬とリチウムを組み合わせて使うと、抗うつ効果が強まります。

このリチウムは、採血により血中濃度を測定しながら使います。

血中濃度が上がり過ぎると、腎臓に障害が出たりといった中毒症状が出るので、安全に使うためには血中濃度のモニタリングが必要なのです。

他には、アリピプラゾールという脳内のドパミン系、セロトニン系の神経に作用する薬を組み合わせる方法もあります。

アリピプラゾールは幻覚や妄想を抑えたり、気分の波を抑えたりと、いくつかの効果がある薬で、非定型抗精神病薬という種類になります。

同じ非定型抗精神病薬では、クエチアピンやオランザピン、リスペリドンという薬も、抗うつ薬と一緒に使うと効果を増やすという報告がありますが、まだ日本では保険上は認められていません。

他にも、抗うつ薬と甲状腺ホルモンを組み合わせることもあります。

また、NaSSAに分類されるミルタザピンという抗うつ薬と、他の種類の抗うつ薬を組み合わせても、うつ病を治療する効果が高まります。

こうした薬を組み合わせる治療は、薬の種類が増える分、どうしても副作用のリスクも増えますが、なかなかうつ病が良くならない場合は行うことがあります。

さて、次回は薬の治療ではなく、電気による治療を説明します。

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