

バルベナジンの1年間の調査結果
以前、こちらのブログ(下記参照)でもジスキネジアの薬としてバルベナジンを紹介したと思います。日本ではまだ認可されていないため使われていませんが、アメリカでは認可が得られています。 ジスキネジアの薬(バルベナジン、デューテトラベナジン) そんな中、バルベナジンの1年間の使用調査結果が報告されました。こちらは、医学論文として発表されています。 引用文献:Factor SA, et al. The Effects of Valbenazine in Participants with Tardive Dyskinesia: Results of the 1-Year KINECT 3 Extension Study. J Clin Psychiatry. 2017.
バルベナジンを投与された人たちが持つ元々の精神疾患は、統合失調症やうつ病、双極性障害などです。こうした病気に抗精神病薬という脳のドパミンをブロックする薬が使われますが、特に古いタイプの抗精神病薬を長期間飲むと、ジスキネジアという口や舌が勝手に動いてしまう副作用が出ることがあります。しば


死にたい気持ちをあっという間に減らす薬「ケタミン」
日本語では、嫌なことを「死」という言葉で表現することが多いと思います。例えば、夏の非常に暑い日に「死ぬほど暑い」と言ってみたり、恥ずかしい失敗をした時に「恥ずかしくて死にそう」と言ってみたり。辛い時に、「もう死にたい」と言う人も多いのではないでしょうか。かつて切腹という文化もあった国ですので、死については身近な部分もあるのかもしれません。 しかし、本気で自殺を考えるようだと大変です。例えば、うつ病になり正常な判断ができなくなると、辛さから逃れるために本気で自殺を考えることがあります。または、死にたいという気持ちが、勝手に湧き上がってきて止められないという場合もあります。これは、普通の人が死について考える状況とは違い、うつ病という病気の影響を受けての考えになります。冷静に自分の死について考えているわけではありません。あくまで症状です。この症状は、専門用語を使うと、希死念慮とか自殺念慮などと言います。 こうした、うつ病の影響による希死念慮、つまりは死にたい気持ちは、治療により改善が期待できます。ただし、うつ病の治療は何週間も時間がかかるのが一般的です