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うつ病ガイドライン徹底解説22 修正型電気けいれん療法



うつ病ガイドライン徹底解説

今回は、電気によるうつ病治療を説明します。

頭に電気を流すと精神症状が良くなるということは古くから知られ、精神科の治療として用いられてきました。

頭にある一定の量の電気を流すと、全身けいれんが起こり、うつ病や躁病などの精神症状が改善するのです。

この治療を電気けいれん療法と呼びます。

かつては重篤な副作用があり、倫理的にも問題視されていた電気けいれん療法ですが、最近は電流の流し方を工夫して、必要最低限の電流に調整したり、痛みを感じないように麻酔をしたり、けいれんを筋弛緩剤を使って抑えたりなどの様々な工夫により、昔よりは大幅に副作用を減らすことができました。

このように副作用が少なくなるように工夫されたものを、「修正型」電気けいれん療法と、頭に修正型をつけて呼ぶことになっています。

ただ、副作用が減ったといっても無くなったわけではありません。

せん妄、認知機能障害など、認知症に似た副作用が出る方もいますし、治療の直後に頭痛を感じる方もいます。

また、心臓、血管系や脳に多少なりとも負担をかけるので、心臓の病気や動脈瘤などの血管の病気、脳腫瘍、脳出血など脳の病気がある場合はリスクが高く、この治療を行わないことが多いです。

こうした問題点もある治療ですが、うつ病に対する効果は高く、薬の治療では効果が見られなかった人でも治すことが可能です。

このため、薬の治療が無効だった場合は、修正型電気けいれん療法を行います、また、効果が出るのも早いため、重症で緊急性のある場合もこの治療を行うことがあります。

このように、効果が高い修正型電気けいれん療法ですが、弱点はせっかくうつ病が良くなっても再発しやすいことで、再発予防のために、うつ病が良くなった後も抗うつ薬の内服を続けることがあります。

まあ、こちらは抗うつ薬で治療した場合も同じですね。

また、抗うつ薬で再発が防げない場合は、再発予防のために定期的に修正型電気けいれん療法を行うという方法もあります。

このように、電気の治療を行った後は、いかに再発させないかを考える必要があります。

さて、次回は第4章に移り、うつ病に幻覚や妄想などの精神病症状を伴うケースの解説を行います。

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