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自律神経失調症の原因



自律神経失調症の原因

自律神経失調症という病名は日本では結構広まりました。実は、医学的には正式な病名ではないのであまり使わないようにと言われてますが、使ってる医師はたくさんいます。それに、すでに一般の人々の間で広まってしまったので、今さら訂正は難しいでしょう。それならば少し開き直り、自律神経失調症についてもっと詳しく知る方が良いように思います。そこで、しばらく自律神経失調症の特集を組みたいと思います。

そもそも、自律神経とは何かということですが、これを知るには「自律」という頭の単語がヒントになります。これは、誰かに何かをされなくても自分で勝手に動くということですよね。自動という言葉に近いと思います。

私たちの体の中は、自動的に動いてくれる場所がたくさんあります。心臓を動かそうといちいち考えなくても勝手に心臓は動いてくれます。胃腸も自動的に動きます。いちいち胃や腸を動かそう、食べ物を消化しようなどと意識する必要はありません。逆に、手足は自分で動かそうと思わないと動きません。走ろうと思わなければ走れません。このように、私たちの体は意識に従って動く部分とそうではなく自動的に動く部分があります。自律神経は自動的に動く神経です。心臓を動かしたり、胃腸を動かしたりと内臓の動きを調節してます。血圧を調節したり、汗を出したりなんかも自律神経の働きです。

自律神経は交感神経と副交感神経に別れます。簡単に言えば、交感神経は戦闘モードになった時に活動する自律神経で、心臓を早く動かしたり、血圧を上げたりします。副交感神経はその逆でリラックスしてる時に働いています。

この自律神経のバランスが狂うと、やたらと胸がドキドキしたり、息苦しくなったり、冷や汗が出たり、血圧が下がってめまいがしたりします。自律神経は全身に張り巡らされているので、症状はあちこちに出てきます。

このように自律神経の調節、バランスがうまくいかないことを、俗に自律神経失調症と呼んだりします。しかし、この自律神経失調症という病名は、あまり意味のない病名です。なぜなら、実は自律神経のバランスが狂う原因は無数にあるからです。様々な病気が原因となり、自律神経失調症になります。つまり、自律神経失調症とだけ診断されても、原因となる病気が分からないと意味がないんですね。例えば、吐き気が出た時に嘔吐症と病名をつけることもできますが、それだけで満足する人はいません。胃潰瘍なのか、胃腸炎なのか、原因となる病気を解明することが大事です。原因が分かれば、治療ができます。それと同じで、自律神経のバランスが崩れたから自律神経失調症と診断するのは簡単なんですが、それだとただ症状に名前をつけただけですし、原因となる病気を突き止めないと治療もいい加減な感じになってしまいます。「吐き気が出たから嘔吐症です。吐き気止めを処方します」と医師に言われたら、いい加減だなと思いますよね。それと同じで、自律神経失調症と病名をつけただけで治療を始めるわけにはいかないのです。

では、どのような病気で自律神経が障害されるのか。次回以降は、原因について解説していきます。

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