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個人の健康データから自殺を予見


今回は、個人の健康データから自殺企図のリスクを予見するという研究をシェアします。

これは、アメリカで行われたものです。

最近は医療、健康面の情報を電子データとして保存しておく流れがあります。

例えば、どんな病気をしたことがあり、どんな薬を使ったことがあるかという記録です。

こうしたデータは個人情報なので、セキュリティの問題があるのですが、やはり、有効活用すれば、メリットがあります。

こうした電子データを精神科領域でも役立てることができるのではないか?

と考えて行われた研究をご紹介します。

なんと、自殺企図のリスクを、データから予見するというものです。

精神科においては、患者さんにとっても、医師にとっても、自殺企図は絶対に避けたい問題です。

これを防ぐには、まずは自殺のリスク評価が大事だと言われています。

問題を解決するには、まずはその問題を認識することから始めますよね?

リスクを回避するときも、まずはそのリスクを認識することから始めるということです。

こうした自殺のリスクを、データサイエンスを使って認識していくわけです。

この研究では、1998年から2012年にかけての個人の健康面のデータが使われました。

いわゆる後ろ向きの研究というもので、過去のデータを振り返って解析したものになります。

三回以上の通院があった人が調査対象になったようで、その人数は1,728,549人。

ビッグデータですね。

これらの人の自殺企図の有無について、確認されました。

その結果、1.2%にあたる20,246人の方に自殺企図があったとのことです。

更に統計を使って調べていくことで、自殺企図のリスクを予見するには、何が大事なのかが見えてきました。

一つには、当たり前ですが、精神疾患の有無です。

精神疾患がある方では、どうしても自殺のリスクは上がってしまいます。

また、これとは別に、健康面の問題も関係していることが分かりました。

慢性的に長く続く病気を持っている人は、自殺企図のリスクが高まるということです。

このような方法でリスクをしっかりと評価できれば、誰にどのようなサポートをすべきかが見えてきます。

しっかりサポートすれば、自殺はある程度は回避できます。

より効果的に困っている人々をサポートしていくためにも、こうした健康面のデータの利用が有効のようですね。

特に、日本では自殺率の高さが問題になっていますので、健康データの利用については、もっと考えて良いのかもしれません。

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