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麻薬で麻薬をやめる


ヘロインという麻薬をご存知でしょうか?

日本ではあまり話題になりませんが、依存性の強い薬物の一つで、アヘン、モルヒネなどの仲間で、オピオイドという種類の薬物になります。

海外ではヘロイン依存症の方も多いようですが、このヘロイン依存症の治療として、ヘロインから他のオピオイドにすり替えていくといった治療があります。

例えば、メサドンやブプレノルフィンといった、同じオピオイドの中でも毒性の少ないものを薬として使い、その代わりにヘロインを止めるという治療です。

つまり、目には目をというか、麻薬を使って麻薬をやめるという治療ですね。

こうした方法で、ヘロインを止めることができれば、少なからずメリットはあります。

しかし、他の問題が新たに引き起こされている可能性もあるようです。

今回は、スイスで行われた、このヘロインを他のオピオイドにすり替える治療の問題点を調べた研究を紹介します。

調査対象となった人は、1998年から2014年の間にこの治療を受けた8962人の方々です。 かなり大規模な調査ですね。

この研究では、ヘロインだけでなく、コカイン、アルコール、そしてベンゾジアゼピン(日本でよく使われる抗不安薬や睡眠薬などのことです)といった、他の依存性のあるものについても調べています。

その結果、ヘロインやコカインの使用頻度は年々減る傾向が見られましたが、アルコールに関しては、若干増えていました。

調査が終わった2014年の時点では、治療を受けている4400人の患者さんの中で、22.5%に当たる990人がアルコールをたくさん飲んでいたという数値でした。

依存性を持つ人は、一つの薬物だけでなく、色々なものに依存しやすい傾向があります。 ヘロインやコカインに依存する人は、お酒にも依存しやすいわけです。

ヘロインやコカインをやめたけど、お酒をたくさん飲むようになったということでは、結局、健康は損なわれます。

割とお酒の害は軽く見られますが、実はお酒の害も大変なもので、肝臓だけでなく脳にもダメージがありますし、癌にもなりやすくなります。

違法薬物ばかりに目を向けず、総合的に健康を守る方法を考えないといけませんね。

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