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精神疾患でなくても労働意欲はなくなる


今回はエッセイ風に労働意欲について語りたいと思います。

労働意欲は精神疾患とも関係が深いですが、それ以外の要因とも深く関わります。

当然ですが、労働意欲が無ければ精神疾患というわけではありません。

それなのに、労働意欲が無ければすぐに精神疾患という風潮が生まれる可能性もあるように思います。

そもそも、意欲的に働く人はそんなに多くはないでしょう。

逆に少ないからこそ、意欲的に働く人をうらやむ気持ちを持つ人も多いのかなと思います。

働く意欲、モチベーションにあふれている人、意識高い系という流行り言葉に代表されるような人。

こうした人は希少です。

そんなに働く意欲がない人、働きたくないわけではないけどそこそこで良い人など、ほどほどに労働意欲がある人がほとんどでしょう。

まあ、過ぎたるは及ばざるがごとしとも言いますし、個人的には労働意欲なんてほどほどで良いという意見です。

ただ、働く意欲がないことを悪いことだと捉え、他人に対しても意欲的に働くことを求める人も少なくありません。

「やる気あんのか!」などと批判する人たちです。

そういう人たちのせいか、自分が働く意欲がわかないときに、これは悪いことなんではないかと思ったり、異常なことなのかもと考えたりする人がいます。

異常ということは精神疾患かなと考え、精神科に受診する人もいます。

もちろん、うつ病などの精神疾患で労働意欲がなくなる人はいますので、その可能性を考えること自体は間違いとは言えません。

しかし、情緒不安定というわけでもなく、不安で夜が眠れないわけでもなく、休みの日でも胸が苦しいというわけでもなく、ただ労働意欲がないだけでうつ病という精神疾患と診断されることはありません。

別に精神的に健康な状態でも、働く意欲がないということはよくあるからです。

やりたくないことに対して意欲が出ないのは、人間として自然な感情です。

仕事が好きではない、やりたくもない仕事を無理にやらされているなどの状況であれば、どんな人でも労働意欲は出ません。

こうした場合は、精神の異常ではなく、あくまで通常の反応です。

ですから、精神疾患ではないのです。

また、本当に病気で労働意欲がわかない場合でも、精神疾患だけが労働意欲をそぐ原因ではありません。

例えば、睡眠時無呼吸症候群という病気では、日中の眠気が有名な症状ですが、意欲が出ないとか、うつっぽくなる症状も出ます。

睡眠時無呼吸症候群とは、夜中にいびきをかいている人などに多いのですが、夜間に呼吸状態が少し悪くなり、体が酸欠に陥るような病気です。

この結果、睡眠が浅くなり、いくら寝ても睡眠不足になります。

また、糖尿病なども悪化するとだるくなったり意欲がなくなったりします。

ようは体調不良という言い方でまとめられるかもしれません。

精神的に問題がなくても、体調が悪ければ労働意欲はそがれるのです。

労働意欲がわかない時、それが正常な感情なのではないか、または体調が悪いのではないかなど、精神疾患以外の理由も考える必要があります。


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