混合うつ病の治療薬
では、混合うつ病の治療薬について解説します。このガイドラインでは、抗うつ薬は単独では使わない方が良いとしており、代わりに非定型抗精神病薬(第二世代抗精神病薬とも言いますが、脳のドパミンやセロトニンの作用を調整する薬です)や気分安定薬を推奨しています。これは、うつ病ではなく双極性障害の治療と同じです(個人的には、それなら双極性障害と診断すれば済む話のようにも思いますけどね)。
それでは、これから具体的に解説していきます。 第一選択薬、つまり、まず始めに使う薬は一種類が良いとされ、以下の薬が推奨されています。
・アリピプラゾール:1日の用量の目安は15-30mg
・アセナピン:1日の用量の目安は5-10mg
・クエチアピンまたはクエチアピンXR:1日の用量の目安は300-600mg
・ルラシドン(2017年現在日本未承認):1日の用量の目安は20-120mg
・ジプラシドン(2017年現在日本未承認):1日の用量の目安は80-160mg
第二選択薬は以下のとおり。
・ラモトリジン:1日の用量の目安は50-200mg
・バルプロ酸:1日の用量の目安は血中濃度(採血して測定します)で70-90mg/L
・リチウム:1日の用量の目安は600-1200mg(血中濃度0.5-1.2mEq/L)
・カリプラジン(2017年現在日本未承認):1日の用量の目安は3-6mg
・オランザピン:1日の用量の目安は5-20mg
また以下のように組み合わせ使うのも良いとしています。
・リチウム or ラモトリジン or バルプロ酸 + 非定型抗精神病薬
・リチウム + バルプロ酸
・リチウム or バルプロ酸 + ラモトリジン
・オランザピン + フルオキセチン(2017年現在、日本未承認)
第三選択薬は以下のとおり。
・カルバマゼピン:1日の用量の目安は600-1200mg(血中濃度4-15mg/L)
組み合わせる場合は以下参照。
・リチウム + カルバマゼピン
・リチウム + プラミペキソール
・リチウム or ラモトリジン or バルプロ酸 or 非定型抗精神病薬 + ブプロピオン(2017年現在日本未承認)
・リチウム or ラモトリジン or バルプロ酸 or 非定型抗精神病薬 + SSRI(抗うつ薬の一種)
・リチウム or ラモトリジン or バルプロ酸 or 非定型抗精神病薬 + MAO阻害薬
他にも、モダフィニル、アルモダフィニル(2017年現在日本未承認)、プラミペキソール、葉酸、イノシトール、ケタミン、N-アセチルシステイン、オメガ3脂肪酸、ラメルテオン、セレコキシブなどを薬に追加しても良いと書かれています。
薬の治療以外なら、電気けいれん療法も第三の推奨枠に入っています。
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