リチウムを単極性うつ病に
- Tomoyuki Saito
- 2017年8月14日
- 読了時間: 2分

うつ病は治療し治った後も、再発する可能性がある病気です。
一生のうちに何度も再発するような人もいます。
このように再発を繰り返す人は、どうやったら再発を防ぐかという課題を抱えています。
一般的には、抗うつ薬を、うつ病が良くなった後も続けておくと再発をある程度は抑えることができます。
ただし、それでも再発する人もいるので、さらなる治療法が必要になります。
今回は、うつ病の再発予防の研究をご紹介します。
北欧のフィンランドの研究ですね。
この研究では、1987年から2012年の間にうつ病のため入院した人の記録を検証しています。
普通、うつ病は外来に通院しながら治します。
入院するということは、かなり重症のうつ病の方たちです。
この人たちがどんな薬を飲み、その後にまたうつ病を再発して入院していないかどうかなどが調べられました。
かなりたくさんの人のデータが調べられたようで、その数、約12万人です。
この調査結果では、抗うつ薬を飲むよりも、リチウムという薬を飲む方がうつ病を再発して入院する可能性を下げるという結果でした。
リチウムは主に双極性障害(躁うつ病)に使う薬ですが、抗うつ薬と一緒に使うことでうつ病を治療する場合もあります。
しかし、この研究結果では、リチウムと抗うつ薬を一緒に使うという一般的な方法よりも、リチウムだけを使う方が、うつ病が再発する可能性が低かったということです。
うつ病を何度も再発する人には、抗うつ薬よりもリチウムを使う方が良いのかもしれません。
ただ、まだ結論が出たわけではありません。
これは、過去のデータを振り返っただけなので、まだ確実なことは言えない研究スタイルです。
薬の有効性を調べるときは、ランダム化比較試験というスタイルを用いるので、今後はリチウムのランダム化比較試験をして、本当にリチウムにうつ病の再発を抑える効果があるのか検証する必要があります。
今後の研究に期待しましょう。
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