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ギャンブル依存症とADHDの研究


最近は、IR(統合型リゾート)法案の影響で、ギャンブル依存症に注目が集まっていますね。ギャンブル依存症は、病的賭博とかギャンブル障害などと言ったりもします。具体的な症状は、賭け事にのめり込んでしまってやめられなくなったり、お金をかけるために借金してしまったりなどです。競馬やパチンコなど、日本にもギャンブルはあるので、こうしたギャンブル依存症の方が沢山いると言われています。

さて、今回はこのギャンブル依存症とADHDとの関係を指摘した、オーストラリアの研究を紹介します。

ADHDとは注意欠陥・多動性障害(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)の略語で、子供の頃から非常に注意が散漫だったり、じっとしていることができず動き回ってしまったりなどの症状が見られる精神疾患で、男の子に多いものです。子供の頃のこうした症状は、大人になると徐々に薄れていくものですが、中には大人になっても症状が続いている方もいます。

このADHDですが、いろいろな依存症になりやすいと言われています。ADHDの症状が、言うなれば「自分の行動を抑えることができない」というものですから、自分の行動を抑えられない依存症という病気とも関連はありそうですよね。

そこで、ADHDとギャンブル依存の関係が統計的に調べられました。80人のギャンブル依存症の方がこの調査に参加したようです。そのうちの80%が男性、20%が女性という男女比でした。やはり、どこの国でも男性の方がギャンブルすることが多いものですから、男性が多いは当然かもしれません。研究に参加した方は、子供の頃にADHDの症状があったのか、大人になった今でもADHDの症状があるのかが調べられました。

こうした症状は、専門の質問票に沿って確かめられます。すると、43%の人が子供の頃にADHDの症状が出ていたようで、11%の人が大人になった今でもADHDの症状が続いているという結果が得られたそうです。子供の頃のADHDは、多くても1-2割というところですから、43%という数字は多いですね。

そして、大人になってからもADHDの症状が続いている方は、ギャンブル依存症の症状が深刻になる傾向がありました。また、薬物依存症やアルコール依存症をまとめて物質使用障害などと言ったりしますが、物質使用障害とADHDも関連が見られたとのこと。

こうした統計結果を見ても、ADHDと依存症には関係があると言えそうです。しかし、この結果をどう活かせば良いのかは、諸説あるところでしょう。ADHDがある人は、ギャンブルにハマりやすいのでやらない方が良いという意見もあるでしょうし、それは差別だという意見もあるでしょう。私としては、少なくても、自分がギャンブルにハマりやすいか否かという傾向くらいは知っておいても良いように思います。この傾向を知るためには、子供の頃にADHDの症状があるかどうかが、一つの指標になると思いますね。

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