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自律神経失調症と副作用


自律神経には交感神経と副交感神経があり、内臓や血圧の調整をしていますが、この自律神経のバランスが崩れた状態を俗に自律神経失調症と言ったりします。自律神経失調症は正式な病名ではないのですが、一般的にはよく使われます。精神的な不調で自律神経の症状が出るもいますし、糖尿病などで血管が障害されるとその血管に関係する自律神経も障害されることもあります。

ただ、巷での使い方を見てみると、主に精神的なストレスが原因で自律神経失調症になったと言っている人が、なんとなく多いのかなと言う印象があります。ストレスが原因で自律神経症状が出る場合、これは恐怖反応的な症状になります。ホラー映画だとかサスペンス映画なんかを想像していただくと分かりやすいと思いますが、人間は怖くなると心拍数は上がり、呼吸は荒くなり、冷や汗が出ます。また、全身の筋肉が強張り、手足の先の血管が縮み、そのせいで指先が冷たくなったり、手足がしびれたりすることもあります。こうした恐怖による自律神経の症状は、主に交感神経の興奮が原因です。冒頭でも言ったように自律神経は交感神経と副交感神経に別れていて、それぞれ逆の作用があります。作用を拮抗させてバランスをとっている感じですが、交感神経ばかりが興奮すると、動悸や冷汗といった症状が出るのです。

精神科の薬の中には、こうした交感神経の症状を抑えるものもあります。例えば、アドレナリン受容体という神経の接合部をブロックする作用で交感神経の働きを抑えることができます。しかし、交感神経の働きを無理に抑えすぎると、血圧が下がってふらふらする、立ちくらみがするなどの副作用が出ます。

また、副交感神経の働きを抑える薬もあります。副交感神経を抑えすぎると、便秘になったりします。これはムスカリン受容体をブロックする作用のある薬で出現する副作用です。このように、自律神経を無理に抑えると、困る部分もあるわけです。薬の副作用で自律神経失調症になるようなものですね。

このように、自律神経失調症の原因については、薬の副作用の可能性も考えないといけません。薬の副作用で自律神経が不調であることが分かれば、その薬を中止したり別の薬に変えたりすることで解決する場合があります。自律神経失調症の原因は他にあるので、原因を突き止めることが大事です。そうすれば、きちんとした対策が見つかるのです。ただ単に自律神経失調症という病名をつけただけで原因を探らなければ、対策は打てないので注意が必要です。

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