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うつ病ガイドライン徹底解説19 三環系抗うつ薬など



うつ病ガイドライン徹底解説

前回は、SSRIなどの新規抗うつ薬を説明しましたが、今回はもっと昔からある抗うつ薬を説明します。

代表的なものは三環系抗うつ薬です。

こちらは、副作用が新規抗うつ薬よりも強くなります。

尿が出にくくなったり、便秘したり、口が渇いたりといった抗コリン作用という副作用がよく出るのですが、心臓や血圧など循環器系にも影響するのが怖いところです。

例えば、血圧が急に下がると、クラクラして転んでしまうこともあります。

また、一番気をつけなければならないのは、過量服薬です。

この三環系抗うつ薬を大量に飲むと、循環器系への副作用などから、非常に死亡率が高くなります。

なので、過量服薬、自殺企図の可能性が高い人に処方しない方が良い薬になります。

三環系抗うつ薬は新規抗うつ薬よりも副作用が強いかわりに、効果が強いのではないかと考えられていた時代もありましたが、臨床研究では同等の効果であるという結果が出ています。

なので、最近では、まずは新規抗うつ薬から使い始めることが多くなっています。

また、四環系抗うつ薬というのもあり、こちらは三環系抗うつ薬より副作用の面で改善はありますが、やはりSSRIなどの新規抗うつ薬よりも副作用は強いです。

なので、こうした古いタイプの抗うつ薬は慎重に使わないといけません。

ただ、副作用があっても、気をつけながら慎重に使用すれば良いという考え方もあります。

うつ病学会のガイドラインでは、

「緻密な看護計画や定期的な心電図モニターなどが期待できる入院環境であればクリアできるものも多い」

と書かれています。

入院中であれば、副作用が起こっても速やかに対応することができるので、三環系抗うつ薬であっても使いやすいのかもしれません。

さて、次回は、漢方薬など、うつ病で使われるその他の薬剤について解説します。

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