未成年の飲酒問題の研究
- Tomoyuki Saito
- 2017年3月4日
- 読了時間: 3分
最近は人工知能に注目が集まっています。
そのため、機械学習、マシーン・ラーニングという言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。
機械学習とは、コンピューターがデータを統計学的に解析して、傾向、相関関係などを計算する手法です。
今回はこの機械学習を使ってデータを解析したアメリカの研究をご紹介します。
引用元:Neural Predictors of Initiating Alcohol Use During Adolescence. The American Journal of Psychiatry. 2017(論文タイトル、雑誌名、発表年)
調べられたのは、未成年の飲酒問題です。
アメリカでは未成年の飲酒が問題となっているらしく、どのような子に飲酒の問題が出やすいのか、その傾向を調べる研究になります。
この研究には12歳から14歳の137人の子が参加しました。
この時点では特に問題もない健康な子供たちです。
行った検査は、MRIという脳の構造や機能を調べる検査と、知能検査などです。
脳の構造や働きを調べるというのは、いわゆる脳科学的なアプローチですね。
そして、その子供たちをフォローし、毎年、状況を確認していきました。
その結果、18歳までに51%にあたる70人の子供にアルコールの問題が見られました。
この数字を見て、皆さんはどのように思いますか?
私からすると、かなり多いなという印象です。
日本では、未成年の子供の半数が飲酒しているということはないでしょう。
これだけ多いと、社会問題になりますよね。
この結果と、事前に調べた検査データを機械学習により解析したところ、アルコールの問題につながる要素がいくつか算出できました。
まずは、検査データではなく、基礎的なデータから紹介すると、男性であることや、経済的に豊かであることなどがアルコールの問題と関係したとのことです。
男の子の方がお酒を飲みやすいのは分かりますが、経済的に豊かな方がお酒を飲むというのは意外です。
パーティーなどで飲むんでしょうかね。。
また、デートするのが早い子供なども、アルコールの問題に関わっていたと言います。
これは勝手なイメージですが、なんとなく、ちょっとませた子供や、不良っぽい子供を連想してしまいますね。
まあ、こうした傾向は文化的な要素も多いので、日本には当てはまらないかもしれません。
あくまで、アメリカでの話です。
次に、脳科学的な検査データの方を言います。
この結果によると、大脳皮質(脳の表面の部分のこと)が薄いこと、脳の全体的な活動性が低いこと、知的な能力の一つである遂行機能(計画立てて物事を考える力)が低いことなどがアルコールの問題と関係したとのことです。
まあ、、
端的に言ってしまうと、あまり頭が良くない子が、お酒を飲みやすいという感じです。
いかがでしょう?
もしかすると、何人かの人には、身もふたもない結果に聞こえてしまうかもしれません。
しかし、この研究結果に限らず、脳の物理的な弱さ、知能の低さなどは、様々な精神疾患と関わっていることが分かっていますし、非行などとも関わりが深いです。
これは、生物学的な現象なので、仕方がないことですね。
ただし、こういう統計結果が子供の差別にならないように配慮は必要でしょう。
別に、子供たちを馬鹿にするための研究ではありません。
こういう研究結果をもとにして、しっかりと大人が、もしくは社会が子供をサポートしてあげると良いのかもしれません。
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