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回答:依存症の大本


下記内容で質問がありましたので、回答します。

■年代を選択してください。 50代 ■性別を選択してください。 男性 ■子供時代について教えてください。 いじめられっ子でした。金持ちのボンボンでした。殴る蹴るの暴力を受け、金持って来いとよく言われてました。ただ友達も多かったです。成績は常にトップクラスでした。高校は進学校でしたが平和すぎて帰って怖かったです。 ■いつから、どんな症状があるのか、時間の流れに沿っ... 24歳の誕生日彼女と伊豆で泊まりの旅行へ行きましたが大学時代から酒が好きでかなり飲んで翌朝なんとも不愉快な違和感があり手は震え油汗をかき動悸がしてかつ左半身の表現しがたい気持ち悪さがたまらず病院を探しやっと見つけデパスを処方され先生に言われた診断はアルコール依存症でした。東京に戻り精神科受診してやはり同じ診断でした。ソラナックス ロヒプノール レンドルミン処方されましたがアルコールを飲む機会があまりにも多く薬も酒もやめられない状況が続きましたが現在は月に一回のペースで飲んでます。ソラナックスは迎え酒みたいなものです。左半身が痺れてとても辛いです。 ■現在の生活、職場環境や人間関係について教えてくだ... 医療関係の仕事をしています。なかなか周りには言えず薬が切れてくると左半身が痺れ、同様に酒を飲んだ翌日も左半身が痺れソラナックスを飲むと多少良くなります。最近ソラナックス、サイレース、レンドルミンの効き目が悪く眠れない日も多々あります。通院している病院の先生はほとんど相手にしてもらえず困っています。人間関係は良い方だと思います。 ■もし、現在治療中の身体の病気・ケガや、過去に治療... 前述のごとくアルコール依存症ですが、薬の依存かと思う様になってきました。左半身の痺れは相変わらずですが右半身は全く問題ありません。CT MRI等問題ないです。 ■もし、家族や親戚に精神疾患や認知症の方がいれば、... 父の妹が統合失調症です。未治療です。 ■最後に、何か聞きたいことや相談したいことがあれば... 今は左半身の痺れさえなければと思っています。本音を言えば酒も薬もやめたいです。

・・・回答・・・

一つの依存症になる人は、他の依存症になる傾向も強いです。この方は、アルコール依存症と診断されているようですが、薬にも依存があるとご自身で考えられています。ソラナックスなどのベンゾジアゼピン系の薬剤は依存性があります。すでにアルコール依存症がある方が、依存性のあるベンゾジアゼピン系薬剤を使えば、依存しやすいのは当然の理だと言えます。

最初に一般論から説明しますが、アルコール依存症の治療は集団が一般的です。依存症の専門病院では、集団で治療するプログラムが作られていますし、医療機関に限らず地域ごとにある断酒会やアルコホーリクスアノニマス(AA)など団体でも相談に乗ってくれます。

ただ、アルコール依存症の治療は難しく、半分以上の方はなかなかお酒を断つことができません。他の依存症も同様です。依存症の治療がうまくいかない理由はたくさんあると思います。ここからは私見を述べますが、その理由の一つが、アルコール依存症の人は自分を客観的に評価するのが苦手ということだと思います。

アルコール依存症の人には、自分について知らない、または、自分のことを考えないようにしている人が多くいらっしゃいます。例えば、第三者から見ると大量にお酒を飲んでいるように見えますが、本人はそんなに飲んでいないと否定することがあります。自分が飲んだお酒の量を自分で理解していないわけです。この他にも、自分の欠点を自覚していなかったり、自分が病気だと自覚していなかったりなど多々あります。

そもそも、自分を客観的に評価するのは難しいことです。自己分析なんてほとんどの人が日常的には行いません。しかし、自分の精神構造をある程度理解しないと精神科の治療が進まないこともあります。

この方は、手の痺れのせいでアルコールやベンゾジアゼピンに依存してしまうと思っているようです。しかし、手の痺れが起きる原因は何でしょうか。神経系統の障害で手が痺れることもありますが、実は、精神的な不調で手が痺れることもあります。例えば、不安や恐怖などの感情で手が痺れることもあるのです。

この場合、大本の原因は不安や恐怖ですから、不安や恐怖を抑えることができれば、手の痺れは無くなります。ソラナックスなどのベンゾジアゼピンは不安や恐怖を一時的に抑えますので、有効なのかもしれません。しかし、ベンゾジアゼピンをずっと使っているとベンゾジアゼピンに耐性ができてしまい、効果が減ってしまいます。

痺れの原因に不安や恐怖がある可能性を説明しましたが、その不安や恐怖にもさらに原因があります。例えば、自分に自信がないと将来に対して不安を抱くことがあります。理解者がいないとか孤独な状況でも不安になります。考え方が悲観的だと不安になりやすいでしょう。不安の原因も色々あるのです。

大本の原因が分かると、対策も取りやすいです。本当の原因は何なのか、さかのぼって考えてみると良いかもしれません。その中で、見たくない自分を見ることもあるかもしれません。自分の欠点は認めたくないものですから、心理的に抵抗があると思いますが、自分を評価して欠点に対策を練れば、欠点はある程度克服できます。その方が建設的ですし、将来に希望も見えてきますから、最終的には精神的に安定すると思います。

口で言うのは簡単で、実際に行動するのは難しいものですが、この内容が治療のヒントになれば幸いです。治療がうまくいくことを祈っています。

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