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うつ病ガイドライン徹底解説18 新規抗うつ薬による治療



うつ病ガイドライン徹底解説

さて、ここからはうつ病の薬による治療について具体的に説明していきたいと思います。

うつ病の治療で使う薬を「抗うつ薬」と言いますが、抗うつ薬にはいくつもの種類があります。

まずは新規抗うつ薬などと言われる、比較的新しいものから説明します。

この中には、

SSRI(Selective Serotonin Reuptake Inhibitors)と略される選択的セロトニン再取り込み阻害薬、

SNRI(Serotonin-Noradrenaline Reuptake Inhibitor)と略されるセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬、

NaSSA(Noradrenergic and specific serotonergic antidepressants )と略されるノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬が入ります。

急に横文字の専門用語ばかりで戸惑う方もいるかもしれませんが、細かい部分は見なくて大丈夫です。

とにかく、「セロトニン」という単語が全てに共通して入っているのが見てわかると思います。

このセロトニンとは、脳内にある物質で、神経同士の情報伝達に関わっているのですが、うつ病になると脳内のセロトニンが減ることが知られています。

先ほど名前を出した薬は全て、不足したセロトニンを補う役割があるのです。

さて、こうした新しいタイプの抗うつ薬は、古い抗うつ薬と比べて副作用が少ないのが特徴です。

どんなに効果のある薬でも、副作用が強いと飲み続けるのは難しいです。

特に、うつ病の薬物療法では、病状が良くなってからも再発を防ぐために何ヶ月、場合によっては何年も抗うつ薬を飲み続けます。

途中で、「もう飲み続けられない」とならないためにも、副作用が少ない薬が良いのは当然です。

このように副作用が少ない上に、うつ病を治す効果は古い抗うつ薬と同じくらいあるので、薬の使い始めには新規抗うつ薬から投与することが多いです。

ただ、副作用がないわけではありません。

SSRI、SNRIでは、共に眠気や嘔気などの副作用がよく出ますし、NaSSAはSSRIなどよりも眠気が出やすいです。

また、アクチベーション症候群と言って、衝動性が高まったり、落ち着かなくなる副作用が出る方もいます。

また、若者が抗うつ薬を使う場合は自殺を試みる可能性が高まるという報告もあり、注意が必要です。

さて、次回は古い抗うつ薬の説明をしたいと思います。

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