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うつ病ガイドライン徹底解説27 よく眠るために



うつ病ガイドライン徹底解説

眠れない、不眠という症状は、うつ病の方のほとんどに見られます。

また、うつ病の様々な症状の中でも、不眠はなかなか治りにくいものです。

また、まれに寝すぎてしまう過眠という症状が出る方もいます。

このようなことから、うつ病と睡眠は切っても切れない関係です。

睡眠は、脳波計を使って詳しく分析することができます。

脳は一定の周波数の電気を発しており、それが脳波と呼ばれます。

眠り始めると、起きている時とは違う脳波となります。この脳波の変化により、浅い睡眠と深い睡眠を区別することができます。

うつ病の方では、深い睡眠が減ることが知られています。

また、睡眠の種類には浅い深い以外にも、レム睡眠というものがあります。

この間は体の筋肉は緩まっているのですが、目が動いています。この間に夢を見ることも知られていますね。

うつ病の方は、眠り始めてからこのレム睡眠が始まるのが早いという特徴もあります。

ただ、こうした特徴はうつ病だけの特徴ではなく、他の精神疾患でも見られます。

まあ、難しい話はさておき、とにかく、うつ病になると睡眠の質も量も変化するということです。

このため、うつ病の治療では抗うつ薬と同時に睡眠薬が使われることが多いのですが、どうしても薬が増えると副作用の問題が出てきます。

よい睡眠をとるための工夫というものもあり、まずは薬を使わずに、そういった工夫を試してみるという方法が良いでしょう。

これを、睡眠衛生の指導などと言います。

例えば、なるべく同じ時間に起きて、1日のリズムを一定に保つことが大事だと言われています。

また、カフェインなどの眠気を取るものはあまり使わない方が良いですし、お酒も睡眠時間を短くしてしまうので、控えた方が良いです。

寝るためにお酒を飲む人もいますが、かえって不眠が悪化してしまうんですね。

あとは、どうしても眠れない時は無理に横にならず、座ってリラックスするなどもおすすめです。

布団の中で寝ようと頑張っても眠れないと、どんどん落ち込んでしまいますから。

また、睡眠時間にこだわる方もいますが、睡眠時間は個人差も多く、時間が長ければ良いというものでもありません。

他人と比べず、自分にとってちょうど良い睡眠時間であれば大丈夫です。

また、認知行動療法という、物事の捉え方を見直す精神療法はうつ病の治療としても効果がありますが、不眠症の治療にも有効です。

これも薬に頼らない治療として、選択肢の1つにはなります。

ただ、どうしても薬を使わないと眠れず苦しいという場合もあります。

次回は、睡眠薬の説明をしたいと思います。


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