• Tomoyuki Saito

仕事のやる気2


仕事のやる気モチベーションについて、なんとなくエッセイ風に書いています。

前回は仕事のやる気について批判することに意味はないのではないかという話をしました。

これは、他人が自分のやる気について語るという外的な要因の話です。

今回は、もっと内的な話、自分の心の中の話をしたいと思います。

例えば、ラーメンがすごく好きな人がいるとします。

その人が、ある日、少し遠い場所においしいラーメン屋さんがあると聞きます。

すると、その人はワクワクしてきます。

どんなラーメンなのか、実際に食べてみたいと思うでしょう。

しかし、そこまで行くのにだいぶ時間がかかり、面倒といえば面倒です。

そこで、ラーメンを食べることと、移動の労力をてんびんにかけて考えます。

確かに移動は面倒。

ただ、やはりラーメンが食べたい。

きっとおいしいに違いない!

そう思うからこそ、移動の労力をいとわず、遠いラーメン屋さんまで足を運ぶことを決めます。

これが、やる気の原点です。

おいしいラーメンを食べることができる!

こうした「期待」があるからこそ、面倒な移動を我慢しようと思うわけです。

この期待とは、言い換えると、自分いとってなんらかの報酬(ここでは、おいしいラーメン)が得られるという予測です。

このように、人間がやる気を出すためには期待、報酬の予測が必要です。

ちょっと脳科学的な話をすると、脳の中でやる気を出す神経回路を報酬系と呼びます。

脳の真ん中あたりと前の方にある前頭葉をつなぐ回路です。

この報酬系が動くと、やる気が出ます。

逆に、報酬系がブロックされると、やる気が出にくくなります。

例えば、精神科の薬の副作用で、この報酬系を弱めてしまうと、やる気が出にくくなったりします。

この報酬系という回路は、依存症とも関係することが知られています。

これから、なんらかの良いこと(ギャンブルだったり、お酒を飲んだ快感だったりします)が得られる。

そう思うと、強い欲求がわいてきます。

この源は、快感の予測、期待です。

このとき、この報酬系が動いているのです。

まあ、依存症は良くないものではありますが、ここから考えると、同じ報酬系が動くという点では、やる気と欲求は同じものとみなすことができます。

さて、こうした話を踏まえて、仕事でやる気を出すにはどうすればよいかを考えたいと思います。

今までの流れで考えると、この脳の中にある報酬系という回路が動けば、やる気が出てくるということになります。

そして、そのためには、何かよいことがあるという期待、報酬を予測することが必要です。

仕事をすると、何か良いことがある。

そう思うからこそ、働く意欲がわいてくるのです。

もちろん、どんな仕事でも、給料が発生します。

それが報酬です。

しかし、お金をもらったからといって、すごく良い気分になるかというと、そう単純な話ではないですよね。

もちろん、お金は生きていくのに必要なんですが、お金を持っているだけで楽しいことが起こるわけではありません。

大体の人は、生活費や将来の貯蓄で給料の大半が消えていくでしょう。

中には、残ったお金をためて、「どうしても欲しいものを買うぞ」と意気込んでいる人もいるでしょう。

こういう人は、きっと、脳の報酬系がバンバン動いています。

しかし、日本では便利なものの大半が安く手に入りますし、そこまで「どうしても欲しい」と思えるものがない人も多いでしょう。

中には、特に欲しいものがなくても、「お金持ちになれば何かが変わる」と思って、漠然とお金持ちになるために働く人もいるかもしれません。

しかし、元から資産家の子供でもない限り、そう簡単にお金持ちにはなれません。

それに、そもそも大金持ちになったとしても、それだけで楽しいことに出会える保証もありません。

お金があれば、おいしい食べ物を食べれたり、最高のレジャーを楽しむことができる「かも」しれません。

しかし、大金を払って食べたものが自分の好みに合わなかったり、高級なレジャーが案外つまらなかったりすることもあります。

お金持ちで、辛い思いをしている人だって、世の中にはたくさんいます。

ですから、お金を稼ぐことに、そんなに意味を見出せないという人は多いでしょう。

こんな風に考えていると、なんのために仕事をするか分からなくなってきます。

つまり、働いて得られる報酬に対して、なんの期待もできない状態です。

だから、やる気もわいてきません。

仕事のやる気を出すためには、この仕事をすることで、自分にとって良いことがある、メリットがある、利益があるといった期待が不可欠です。

なので、仕事のやる気が出ないと思う人は、報酬について考えることが必要です。

そもそも自分はこの仕事を終えたら、なにか良いことが待っていると思っているのか?

こう自分に問うた方が良いのかもしれません。

よく考えれば、仕事を終えると、こんな良いことがある。

そう気づけば、仕事のやる気がわいてきます。

逆に、何も良いことがないとしか思えない人は、仕事のやる気がなくても仕方ありません。

それなら、せめて、やる気が出ない自分を批判して凹んだりしない方が良いです。

理屈の上で、やる気が出ないのも無理はないのですから。


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