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  • Tomoyuki Saito

仕事のやる気について


今回は、精神医学的内容というよりも社会的なことがらについて書く、エッセイ調の記事になります。

仕事のやる気について、皆さんはどう思っているのでしょう。

実は、やる気とか気力というものは、精神疾患と関係が深く、例えば、うつ病になると、やる気が出なくなったりします。

しかし、やる気が出なくなるのは、何も精神疾患が理由というわけではありません。

人間、色々なことで、やる気を失ってしまうことがあります。

例えば、他人から批判、攻撃された時、やる気を失うことがあると思います。

例えば、「おい、やる気あんのかよ」などと先輩や上司から言われた方は多いかもしれません。

私も何度となく言われたことがある言葉です。

しかし、ここでいう「やる気」とは、あまりにあいまいな言葉です。

仕事にきている以上、多少なりとも働くつもりはあるわけです。

全く、1ミリも働く気がなければ、そもそも就職しようと思わないでしょうし、職場にくることもないでしょう。

なので、仕事にきている人に「おい、やる気あんのかよ」などと非難するのは、そもそも矛盾している気がします。

職場にいる以上、やる気があるから来ているのです。

ただ、批判している側も、そういうつもりで批判しているわけではないと言うかもしれません。

もっと仕事量を増やしてほしい、もっと会議で発言してほしい、もっと違う仕事もこなしてほしい、もっとミスを無くしてほしい。

そんな思いで、批判しているのかもしれません。

つまり、厳密に、やる気があるかないかを問うているわけではなくて、もっと働いて、仕事の上で結果を出してほしいというつもりで批判しているのかもしれません。

しかし、それでやる気について批判するのが妥当なのか、はなはだ疑問です。

残業をしないで帰るのは、自宅で親の介護など別の仕事が待っているからなのかもしれません。

会議で発言しないのは、自分が発言すると失礼にあたるのではと思っているのかもしれません。

自分の領分以外の仕事をしないのは、越権行為はよくないと思っているからかもしれません。

ミスが多いのは、そもそもシステムや仕事の割り振りに問題があるからかもしれません。

やる気がないから仕事がうまくいかないと考えるのは、あまりに早計でしょう。

仕事がうまくいかない場合、やる気がない以外の原因についても十分に考える必要があるはずです。

それに、やる気があるのかと批判されて、やる気が出ることはまずありません。

逆に萎縮してしまい、やる気が出なくなることの方が多いはずです。

逆にやる気がなくなるのでは、なんのために「やる気があるのか」などと言うのか、よく分かりません。

このように、人のやる気を非難する言葉は、そもそも多くの矛盾を含む言葉ですから、個人的には使わない方が良いと思っています。

精神医学的には、モチベーショナルセラピーという、やる気を出させる技法があります。

そこでは、批判するとかえって逆効果であると考えられており、もっと相手の意思を肯定する方が良いとされます。

先輩や上司にあたる人は、後輩や部下のやる気を引き出す役割をになう場合もあるでしょう。

もしも、本当に誰かのやる気を引き出したいと思うのであれば、批判するだけでなく、どうしてうまくいかないのか、もっと寄り添いながら一緒に考えてあげると良いと思います。

その方が、やる気は出るでしょうし、そもそも、仕事で結果が出ないのは、他に理由が可能性もあるのですから。


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