• Tomoyuki Saito

LSDが精神科の治療に有効かも?


日本では様々な薬物が禁止されています。

その中の一つにLSD(リゼルグ酸ジエチルアミド)というものがあります。

これは脳のセロトニンという物質を受け取る装置である、セロトニン受容体に作用して、幻覚を起こす薬物です。

セロトニンとは、うつ病や不安障害などの精神疾患にも関係する物質です。

こうした作用を持つLSDですが、依存性は比較的低く、かつては精神科の治療として使えるのではないかと研究されていたこともありました。

その後、しばらく下火になっていたようですが、最近になってまた研究されてきているようで、今回は、LSDが人間の感情にどう作用するのかを調べた研究をご紹介します。

こちらは、スイスで行われた研究になります。

この研究では、100マイクログラムのLSDを24人に投与し、その倍の200マイクログラムのLSDを16人に投与しました。

合計で40人です。

この40人の人たちは、25歳から65歳の男女20人ずつという構成で、特に病気もなく、健康な人たちです。

その結果、LSDは、幸福感や信頼感、他人に対する親近感や共感などの感情をもたらしました。

また、悲しみや恐怖を感じにくくなるという結果も出ました。

つまり、ネガティブな感情が減り、ポジティブな感情が増えるわけですから、これだけ見ると良いことです。

この研究論文では、もしかすると、こうした感情における変化は、精神療法、心理カウンセリングなどの治療に良い効果をもたらすかもしれないと論じています。

ただ、今回は精神疾患がある人たちで行った研究ではなく、あくまで健康な人で行っています。

精神疾患の人にLSDを投与したら、例えば非常に強い幻覚が出て、情緒不安定になるなど、全く違う結果が出る可能性もあります。

また、副作用についても、しっかりとした検証が必要です。

しかし、禁止されている薬物だからといって無闇に否定せず、冷静な目で検証するのが科学ですから、今後もこうした研究は行っていくべきでしょう。


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