• Tomoyuki Saito

不安と自律神経症状への回答


不安症状や自律神経症状をもつ方から質問が来ましたので、回答します。以下が質問者さんの記入内容です。

■年代を選択してください。 20代 ■性別を選択してください。 女性 ■子供時代について教えてください。 父、母、2歳年下の妹と4人で住んでいました。父からしつけを受け、厳しく育てられました。自分の意見を言えるような環境ではなく、気に入らなければ殴られたりもしました。幼稚園から中学にあがるまでいじめが多く、仲間はずれなど多々あり、友達と呼べる人は居なかったと思います。関わりはあるが信用していませんでした。性格は、負けず嫌いで、自分が正しいと信じていたと思います。中学で部活にはいりましたが、そこでは2人ペアになることが必要でした。私は小学校のときいじめられたことが自分の頑固さによるものも一因だと考え、柔軟さを身につけようと、人に合わせることをよくやっていました。それを部活の顧問が見て、多感で問題のある子とペアを組まされました。ミスは全て私の責任にされ、不機嫌な相手のご機嫌とりをずっとしました。2.5年間耐えました。顧問には、私の性格を利用したと言われました。2.5年間の間、吐き気が起こったり、膀胱炎に繰り返しなって、部活へ行けなかったり、中断することもしばしばありました。途中爆発して、試合を放棄したこともあります。周りも手がつけられない状態でした。成績は良かったです。130名中15位以内に入ってました。部活が辛い分、勉強が息抜きになっていました。 ■いつから、どんな症状があるのか、時間の流れに沿ってご記入ください。 2017.9月からのどのつまりからくる吐き気が続いています。ふわふわするめまいも2018.3月ごろから起こるようになり、胃の違和感も背中の痛み、動機、息苦しさもあります。2018.5.21から休職しております。 きっかけは、趣味で始めたことにノルマが課せられて2017.7からずっと悩んでいました。また私は嘔吐恐怖があり、2017.8に低用量ピルの服用を考えるようになり、副作用の吐き気を心配していました。2017.9.22に発症しましたが、ピルを飲ん2日経った時でした。寝汗がすごかったです。 発症前に首をひどく寝違えることがありました。2.3年前、仕事のストレスと当時交際していた人とのいざこざで同じような状態になっています。その時も発症前ひどく寝違えを起こしました。その時は5カ月休職して復職しました。今回は長引いています。 ■現在の生活、職場環境や人間関係について教えてください。 まだ未婚で休職中なので、実家で休んでいます。両親と一緒です。妹は大阪で1人暮らしをしています。 父母は特に重圧のかかることはなにも言ってきません。職場の人には恵まれていて関係は良好でした。しかし、休職ばかりして自分の無力さや迷惑を考えると申し訳なく思っています。友人は数名います。みんな、優しいひとばかりです。 ■もし、現在治療中の身体の病気・ケガや、過去に治療した身体の病気・ケガがあれば教えてください。 特にありません。 ■もし、家族や親戚に精神疾患や認知症の方がいれば、その方の続柄と病名を教えて下さい。 母方の、祖父が眠剤としてデパスを使用していたようです。 母方の祖母は全般性不安障害と、認知症です。パキシル、ワイパックス等のんでいたようですが、改善はしていませんでした。 ■最後に、何か聞きたいことや相談したいことがあれば、ご記入ください。 私は薬に非常に抵抗があり、今も症状がひどくどうしようもない時だけリーゼを服用しています。自律神経失調症によいとされることを調べて実践していますがこれでいいのでしょうか。また、カウンセリングを受けていますが、気持ちとは裏腹に症状が出ることもあり、(例えば、ボーリングをして楽しい!と思った時、人と話して大爆笑した時でさえ、吐き気がひどくなりえずきます。)あなたは不安だから安心に変えないとと言われることが良くあり、しっくり来ません。どう受け止めればいいのでしょうか。

<私からの回答>

強い不安や恐怖、緊張、焦りなどの感情により、吐き気、めまい、動悸などの症状が体に出ます。これは特段、珍しいことではありません。自律神経が関与するため自律神経症状と呼ばれますが、自律神経自体に問題があるわけではありません。あくまで強い不安や緊張などの感情が原因です。念のため、胃腸や心臓に問題がないかどうか検査しておいても良いとは思いますが、検査で異常がなければ感情の症状と捉えましょう。

リーゼはベンゾジアゼピン系の抗不安薬で、不安を抑える薬です。自律神経をどうこうする薬ではありません。もしもリーゼによって体の症状が改善するのであれば、リーゼが不安を抑え、その結果として不安からくる体の症状が改善するという流れが推測されます。ということで、リーゼが有効なら、やはり不安が体の症状を作っていると考えるのが自然です。

不安症状にはSSRIなどの抗うつ薬を使うことがありますが、薬に抵抗があるのであれば、無理に使わなくても良いと思います。そもそも心理的要因や環境的(社会的)要因が強いと薬は効きにくいです。まずは心理的要因や環境的要因に目を向けて治療してみるの方法で良いでしょう。

記載された内容を見る限り、心理的、環境的要因は十分にありそうですね。

特に子供時代の重圧はかなり強かったようです。両親からのしつけに加えて、部活での指導も厳しかったとのこと。こうした厳しい教育方針については色々と意見もあるでしょう。

質問者さんの育った環境は、簡単に言えば、絶対に嫌われてはいけない環境です。この環境に置かれた人は、嫌われることを過剰に怖がったり、いつか嫌われるのではないかと不安に思ったりしやすいはずです。

質問者さんの子供時代は、周囲の期待に必ず応えないといけない環境だったとも言えます。自分の欲求よりも周囲の要求が優先されるわけですから、自分の気持ちは押し殺すしかありません。自分の意見を言えるような環境ではなかったと書かれていますから、よほど感情を抑圧しなければいけなかったのでしょう。

あくまで可能性ですが、もしかすると、質問者さんは周囲に嫌われるのが怖いという気持ちを押し殺しすぎて、自分でも分からなくなっているのかもしれません。感情を抑圧し続けていると、自覚できなくなることがあるのです。

気持ちとは裏腹に症状が出ると書いていますが、本当に気持ちと裏腹なのかどうかは自分で分析してみてください。例えば人と話して笑っている時も、期待された自分の役割を演じているのかもしれません。相手が笑って欲しいと思っていることに何となく気づき、嫌われないために自分は笑わなければいけないのだろうと思って笑っているのかもしれません。この時、心の奥底には「嫌われるのが怖い、不安だ」という感情が眠っているわけですが、その感情を押し殺して笑っていると、自分では気づかなくなることもあります。

愛想笑い、無理して笑うという経験は、多少なりとも誰にでもあるでしょう。まあ、愛想笑いは人間関係を円滑に進めるコツでもあります。無理して笑うことが絶対に間違っているわけではありません。しかし、ずっと無理しているうちに、演技で笑っているのか、本当に楽しくて笑っているのか自分で分からなくなることもあります。自分の感情を押し殺してしまい、自分を見失っていないか考えてみましょう。

また、周囲からの期待について書きましたが、質問者さん自身が周囲に期待している部分もあるかもしれません。自分を認めてほしい、好きになって欲しいという期待が強いと、自分の期待に応えてもらえなかった時に強く落ち込んだり、不安や恐怖感を覚えたりします。人間関係の中で生まれる「理想と現実のギャップ」に苦しむという言い方もできます。

自分が周囲の人間にどのような気持ちを抱いているのかも、自己検証してみましょう。人間関係は、理想と現実のギャップで苦しむことが多いです。強い期待に応えるのは大変苦労するものですし、期待に応えられなかった時は辛い気持ちになります。だからこそ期待に応えようと頑張るわけですが、全ての期待に応えられるわけではありません。過剰な期待は、人を苦しめます。

この辺の理屈は、「対人関係療法」という治療法から来ています。興味があれば調べてみて下さい。質問者さんには役立つように思います。

#不安障害

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